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2008.03.29(土)

罪ほろぼし

ある日、長屋でのことじゃ。

長屋でも一、二を争う貧乏人のクマが、たいそう元気のない様子で、わしのところにやってきた。

「ご隠居よ~、おらぁ、あんまりにも暮らし向きが苦しくてよう、つい出来心で隣りの畑からイモとダイコン盗んじまったんだ。この罪の償いは、いったいどうしたら良かんべえ」

「そうか、それならひとつ、わしが仏様に拝んで赦しを乞うてやるでな」

わしは仏様の前で、ひとしきり経を上げてクマにこう言ったんじゃ。

「仏様は今宵、是非とも尾頭の鯛を食したいと言うておられるでな」

クマの野郎、黙って聞いてるばっかりで。

「その鯛をお供えするんじゃ、そうすればクマ、おまえさんの罪はキレイさっぱり許して下さると言っておられるぞ」

「そりゃ無茶な話でぇ。イモやダイコン盗んだおいらに、鯛なんて買えるわけがねぇ」

クマの野郎の魂消た顔ったらあらゃしねぇ。

だから続けてこう言ってやった。

「なあに、心配したこたねえ。イモやダイコンとおんなじ方法があるじゃあねえか」

クマの野郎ったら、手を合わせながらこう言った。

「勘弁してくだせえ。もうしませんから鯛だけは。イモかダイコンにしてくだせぇ」

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2008.03.25(火)

ムカデ

江戸の華といえば、火事と喧嘩…そう相場がきまっておるが、

この間のこと、つい四、五軒先の長屋で喧嘩があったんで、ちょうどそこにいた「ムカデ」に声を掛けた。

「おいおい、喧嘩だ喧嘩だ、ひと走り見物にでも行くとするかッ」

ムカデの野郎も、

「そりゃてーへんだ」

と、なかなかの返事。

だが、ムカデの野郎ったら、うずくまったまま、なかなか出かけようとせん。

しびれぇー切らして

「何やっているんでぇ」

するとムカデの野郎ったら悪びれもせず…

「ただ今、草鞋を履いているところでございます」

とな。


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2008.03.20(木)

礼儀正しい猫

ある商家の下男のことじゃが、そりゃたいそうな博打好きだそうな。

見かねた主人が度々呼んでは意見するが、いっこうに止む気配がない。

勘考した主人は、下男が出掛けられないようにと、夜になると引き戸に錠前をかけてしまった。

さて、主人が寝た後から、表に出ようと思っていた下男は困った。

そこで、下男は屋根を伝って出ることにしたそうだ。

ただ、普請が安いからなのか、歩くたんびたんびに音がする。

その音を聞いた主人は女房に、

「屋根がみしみしといっているようだが」

と言ったところ、女房は慌てもせずに

「あれは大きな猫でございましょう」

と答えたとか。

主人はさらに天井を仰いで

「さては、猫か…」

そう言うと、

思いがけない返事があった。

「はいッ、さようでございます」

主人の躾がよろしいのか、いかにも礼儀をわきまえた猫だと、たいそう評判になったそうだ。


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2008.03.20(木)

口開けです。

うちの長屋の住人の八兵衛っていうどうしようもねぇ野郎が、「電網商売」とかいって、なにやらわけの分からん商いを始めたと聞いたんで、ちょっと覗いてみた。したら、奴にしてみりゃ、結構なことに真面目にやっている様子なんで、ちょっとくらい安心したってわけですな。

そこで、八兵衛の手助けになればってことで、隠居した身ではあるが、せいぜい応援しようってぇわけで一肌脱ぐことにしたわけでございます。

これまでに、見たり聞いたり、読んだりしたことを、今様に趣向を凝して「ご隠居風」に作り直してご披露しようじゃないかい…とな。

もちろん、素になる話があったり、人から伝え聞いたことなどあってのことだが、いちいち直しているんで、その分ご隠居の話と思って聞いておくんなさいよ。

それらこれら今後にも、八兵衛ともども、よろしく頼みますよ。


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