スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
│posted at --:--:--│
2008.03.29(土)

罪ほろぼし

ある日、長屋でのことじゃ。

長屋でも一、二を争う貧乏人のクマが、たいそう元気のない様子で、わしのところにやってきた。

「ご隠居よ~、おらぁ、あんまりにも暮らし向きが苦しくてよう、つい出来心で隣りの畑からイモとダイコン盗んじまったんだ。この罪の償いは、いったいどうしたら良かんべえ」

「そうか、それならひとつ、わしが仏様に拝んで赦しを乞うてやるでな」

わしは仏様の前で、ひとしきり経を上げてクマにこう言ったんじゃ。

「仏様は今宵、是非とも尾頭の鯛を食したいと言うておられるでな」

クマの野郎、黙って聞いてるばっかりで。

「その鯛をお供えするんじゃ、そうすればクマ、おまえさんの罪はキレイさっぱり許して下さると言っておられるぞ」

「そりゃ無茶な話でぇ。イモやダイコン盗んだおいらに、鯛なんて買えるわけがねぇ」

クマの野郎の魂消た顔ったらあらゃしねぇ。

だから続けてこう言ってやった。

「なあに、心配したこたねえ。イモやダイコンとおんなじ方法があるじゃあねえか」

クマの野郎ったら、手を合わせながらこう言った。

「勘弁してくだせえ。もうしませんから鯛だけは。イモかダイコンにしてくだせぇ」

スポンサーサイト
│posted at 15:40:45│ コメント 0件
≫コメント 
≫コメントを書く







 削除や編集のときに必要です。
管理者にだけ表示を許可します。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。