スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
│posted at --:--:--│
2008.04.08(火)

急な病

また、例の医者の藪氏の話じゃ。

夜おそくなって藪の家に、たいそう有名な江戸の大店、越後屋の小僧が駆け込んできたってわけだ。

「お店(たな)の奥様が急に倒れました。夜分に急ぎで願います」

藪のことだから、大変慌てて急ぎ足で越後屋に向かったそうじゃ。

着いてみれば、越後屋は大さわぎの只中。

藪は店に飛び込むなり、いきなりそこに居合わせた若い女中の手を取って、やおら脈を看はじめましたぁ。

驚いたのは、その女中。

「なんとしょう、病人は私ではありませぬ」

例の藪は、妙に落ち着き払って

「一刻を争う際に、誰の彼のと言ってはおられぬ」

と言ったそうな。

越後屋の奥方、それから結構な長い間、患っておったそうだが、ついぞ藪が玄関をくぐったのを見た者はいなかったそうだ。

そりゃそうだ。


スポンサーサイト
│posted at 19:59:17│ コメント 0件
≫コメント 
≫コメントを書く







 削除や編集のときに必要です。
管理者にだけ表示を許可します。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。