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2008.05.27(火)

転職

ある朝のこと、番所へ行ったら門番が

「へい、いらっしゃい」

と、やけに威勢がいい。

番所には何度も行ったが

「いらっしゃい」

と言われるたのは初めてのことだ。

するってぇーと、この門番、前は客商売だったかな?




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2008.05.26(月)

習わぬ経

おとら婆さん家では、毎日欠かさず仏様にお参りしていたそうな。

先日のこと、甥っ子が婆さんまねをしてお参りしていた。

するってーと、婆さんは

「この子は感心だこと、お経もそれなりに聞こえるよ」

「ヘーっ、そりゃたいしたもんだ」

と、傍で耳を立てて聞いてみた。

かすかに、でも、確かに

「お金が落ちていますように」

と聞こえてきた。




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2008.05.25(日)

弔辞

「五兵衛の爺さんは、いつも「あわあわ」としていて、長屋のことや近所のこと、たくさんの仕事を前にして、愚痴の一つこぼすことなく「あわあわ」と仕事をこなされました」

式場になぜか笑いが広がった。

後で連れの友だちが駆け寄ってきて

「さっきの『あわあわ』ってぇのは、字で書くってぇと『淡々(たんたん)』のこと?」

おっと、この歳になるまで30年以上も間、「あわあわ」と読んできていた。

死んだ五兵衛の爺さんに感謝しつつ、改めて合掌。




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2008.05.24(土)

ついでのクシャミ

熊さんとこの爺さんだが、葬式に行ってオナラがしたくなった。
ばれないようにクシャミでごまかそうと思った。

考えは正しいが、タイミングがまずかった。

「ハクショーン」

と周囲の注目を集めておいて、その直後に

「ブー」

としてしまった。

みんなの肩がヒクヒクしていたことは言うまでもない。





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2008.05.23(金)

探し物

おばあさんが2人、川で水遊びをしながら話しています。

1人のおばあさんは、もう1人のおばあさんの耳に何やら入っているのを見つけて言いました。

「あらまあ。耳に入ってるの、座薬ですよねぇ」

「えっ! 座薬が?」

言われたおばあさんは、それを耳から取り出して、しげしげと見つめていました。

すると、にこにこしながら、こう言いました。

「ありがとうや! 耳栓をどこにやったか、これで思い出せたんよ」




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2008.05.22(木)

病の話題

(※ご注意 : 尾篭な小話です。お食事前に読むのは遠慮された方がよろしいかもしれません。 惣兵衛)


朝の養生所でのこと。

病を抱えたお年寄りが目立ちます。

そこに顔なじみの3人衆、トメさん、おきよさん、甚六さん。

各人の病の悩みを話し合っている様子。

90歳のトメさん。
「毎朝、起きるんだがね。小用がなかなか足せなくて、いつも半時かけてようやくなんですよ」

91歳のおきよさん。
「わたしゃ、もっとひどい。毎朝、起きるんですがね。大きい用を足すのに、厠に一時もこもっているんですよ。そりゃ辛くてねえ」

95歳の甚六さん。
「わたしゃねえ。毎日きまって、朝になるってえと馬みたいに小便して、牛みたいにウンコが出ますよ」

「なんと羨ましいこと。何にも問題ないじゃないですかねぇ」

しかし、表情が冴えない甚六さん。

「問題は…ですなぁ。そんときに目が覚めてないってぇことかねぇ」

「…」

「…」




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2008.05.21(水)

上手の女房

ある御武家様のことじゃ。

居宅に帰った夫は女房に言った。

「ご隠居のお供で半月ほど、狩りに出掛ける。ついては、衣や狩の道具、それからわしの気に入りの寝間着を荷造りしておいてくれ」

準備が整うと、夫は荷物を持って出掛けていった。

半月後、居宅に戻った夫は烈火の如く怒った。

「気に入りの寝間着が見当たらなかったぞ」

「さてさて、それは可笑しな話でございますね。狩の道具の中に入れておきましたのですが、旦那様は狩は為さらなかったのですか」

御武家様が何と答えられたのか知らないが、女房殿はさぞかし切れ者じゃと評判じゃわ。




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2008.05.20(火)

頭の薬

魚屋の太助は、機知に富んで頭がいいと評判だ。

あるとき客のひとりが尋ねた。

「太助さん、お前さん、どうしてそんなに頭がいいんだい?」

「うーん、秘密にしておきてぇとこなんだけど、お得意さんじゃあしょうがねえ。特別にお教えしやしょう。実は…、魚の頭ってぇこと。これをたんと食べると、見る見るうちに頭が良くなるってぇ算段よ」

「ほぉ、魚の頭ですか。ところで、ここで売ってますかい? だったら、おいくら?」

「ありがてぇ、1個4文でどうだい」

その客は3個買って帰った。

その1週間後、その客がたいそう不満げな顔して、太助の店先までやって来た。

「魚の頭なんて、全然美味くなかった。私の頭の出来も前と何にも変わりゃあしません!」

「うーむ。それは量が足りないのかもしれませんぜ」

太助の言葉に、客は今度とばかりに魚の頭を20個買って帰ったそうだ。

そして、また1週間後のこと、その客は前にも増してプリプリと怒りながら店にやって来た。

「ちょっと太助! 魚の頭を1個4文で売り付けられたんだが、よくよく考えたら魚まるごと1匹4文で買えるんじゃないか! 私をだましたんだな」

するってーと、太助はにやっと笑って言った。

「ほーら、効き目があったってぇこと。たったの2週間で頭がよくなったじゃねぇかい」




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2008.05.19(月)

30年の釣果

ある川で男が2人、釣りをしているところに、ちょうどのこと弔いの列が通り過ぎた。

男のうちの1人は着けていた笠を脱いで、掌を合わせ、目を伏せて、その葬列を見送ったそうだ。

それを見たもう1人の男が言った。

「お前様、素晴らしい仕草でござるな」

すると、もう1人の男がしみじみと言った。

「そうだなあ。私ら30年の永きに連れ添ったからなぁ」

そして、再び釣り糸を垂れたそうだ。




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2008.05.18(日)

休暇願い

ある御武家のこと。

ある朝のこと、仕官する先に出向くなり、

「昨日のこと、それがしの家内の旦那が急に亡くなった故、本日は休みを頂きとうござる」

なにやら、複雑な事情がありそうだ。




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2008.05.17(土)

延期の理由

藤吉んとこの親爺さんが医者にかかっていたところ、その養生所に泊まって治すってぇことになった。

いつからって、予め約束をして手前ん家で待ってたら、思いもよらぬ早さで養生所から遣いが来た。

「明日から養生所に入って下さい」

突然のことで、心の準備が出来ていなかった親父さんは、思わずこう言ってしまった。

「今、ちょっと体の具合が悪いんでぇ。少し先に延ばしてもらいてぇ」

養生所の遣いは

「ハイ、畏まりました。では、そう、お伝えします」

そう言って、帰っていったそうだ。




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2008.05.16(金)

お話してごらん!

長屋でのこと、突然、熊ん家の小僧が

「お腹がいたい!」

と、言い出した。

仕方なく、女房が医者に診てもらった。

「さて、何処が痛むのかな?」

と聞いているのに、

「う~ん、痛ーい。痛いよー」

と泣き叫ぶばかり。

医者も困ってる様子を見かねた母親がこう言った。

「痛がってばかりいないで、ちゃーんとお話してごらん!」

するってーと小僧は、こう話し始めた。

「むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが…」




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2008.05.15(木)

違う間違い

ある暑い日のことだったそうだ。

あんまりにもボーっとしてしまって、女房の話を聞いていなかった八兵衛。

女房が、

「ねぇ、お前さんたら、ちゃんと聞いてんの?」

と怒鳴ったそうだ。

八兵衛はハッと我に返って

「違う事を考えてた」

と言う意味のことを答えるつもりのところ、

「おっと、ごめんよ。違う”人”の事を考えてた」

と言ってしまった。

さぁ、それからというもの、女房は口を利いてくれなくなったそうだ。




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2008.05.14(水)

おかわり自由

飯屋での出来事じゃ。

壁に大きく

「ご飯、おかわり自由」

と、張り紙があったので、

八兵衛の野郎ったら、ご飯を三杯もおかわりしたそうだ。

さて、勘定する段になったら、しっかり三杯分が足されている。

「おっと、勘定違いじゃあねぇかい」

八兵衛が文句を言うと、

「自由だが”只”とは書いてない」

とな。

八兵衛、一杯どころか、三杯喰わされた?




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2008.05.13(火)

借りていた金

御店の旦那が2人、ある茶店にいたところ、そこに強盗が押し入った。

「金を出せ!客のお前らも、財布から有り金を全部出せ!」

「残さずに出さないと、ブッ殺すゾッ!」

それを聞くなり、一方の旦那は、もう一方の旦那の懐になにやら押し込んだ。

「なんだね? いきなり」

「以前に借りてた十両だよ」




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